ダボシャツを上下で粋に着るには歴史と着こなしが大事

上下揃ったダボシャツは神事の正装だった

ダボシャツの由来はお祭りの際に着用する正装が簡略化されたものです。

ダボシャツのルーツ

祭りのそもそもの目的は五穀豊穣など神様に感謝を捧げ祀るための神事でした。神様の前に出るのですから、当然正装が基本だったのですが江戸時代に財政が悪化してしまい、「少しでも安いものを…」と節約のために祭りの際の正装も簡素化されたのがダボシャツのルーツです。鯉口シャツや法被などもダボシャツと同様、経費削減を理由に正装が簡素化された衣装です。

東京オリンピック・大阪万博

明治以降、近代化が進められる中でそれまで続いていた古い風習とともにダボシャツも過去の遺産の中の1つとしてなくなりかけていました。

転機となったのは1964年の東京オリンピックと1970年の大阪万博です。日本全体がお祭りムードの中、雰囲気にぴったりの服として再度脚光を浴びるようになりました。オリンピック、万博という国民的イベントがきっかけだったため、全国的な認知度も高まり、ダボシャツ＝お祭りの際に着用する服としてイメージが浸透し今に至っています。

ダボシャツは上下ともサイズ選びが大事

ダボシャツは「ダボ」とついている通り、ダボダボ、ゆったりと着こなしているように見えるのが粋です。自分の体よりも大きめのサイズを着ているように「見える」着こなしを意識しましょう。

ただし、単純にいつもより大き目サイズを購入すればいいというわけではありません。なぜなら、メーカー側でゆったりめに見えるようなサイズで作っている場合もあるからです。例えば、Mサイズのダボシャツでも一般的な洋服のサイズと比べるとかなりLサイズに近い場合があります。Mサイズの中でもM小・M中・M大があって、鯉口シャツはL小、ダボシャツはL大のイメージです。同じサイズでもメーカーによって微妙な違いがあることも考えられます。

ご購入前にズボン（股引）もあわせて上下とも必ずサイズを確認しましょう。

【祭屋　そなみ呉服店のダボシャツ・鯉口シャツ比較表】

		身丈（肩山～裾）	身幅（第3ボタン位置）	丈（背中心～袖先）
S	ダボシャツ
	鯉口シャツ	70	47	61
M	ダボシャツ	75	56	68
	鯉口シャツ	74	49	63
L	ダボシャツ	78	58	69
	鯉口シャツ	78	53	67
LL	ダボシャツ	80	60	72
	鯉口シャツ	82	57	69
3L	ダボシャツ	80	68	74
	鯉口シャツ	82	62	72
4L	鯉口シャツ	85	73	73

(cm)

【祭屋　そなみ呉服店の和柄ズボン・股引比較表】

		ウエスト	総丈（ひも上～裾）	股廻り（股付け根より5cm下）	股下	わたり	すそ幅	身長（あくまで、目安です）
S	和柄ズボン	～80	95		69	32	20
	股引		90	～52				145～158
M	和柄ズボン	～90	100		73	33	21
	股引		95	～52				153～165
L	和柄ズボン	～98	105		78	35	22
	股引		98	～56				160～172
LL	和柄ズボン	～105	108		81	37	23
	股引		101	～59				170～178
3L	和柄ズボン	～115	108		81	42	24
	股引		101	～66				160～175

(cm)

ダボシャツ・鯉口シャツ、和柄ズボン・股引のサイズ表は各商品詳細ページにも記載しています。ご購入前に上下とも必ずご確認ください。

ダボシャツを着こなすコツ 上下・小物

ダボシャツは一見ゆったり着ているように見えますが、お祭りでかっこよく着こなすコツもあります。

シャツ

ダボシャツは素肌にそのまま着ましょう。男性の場合ですと肌着・Tシャツ・下着を下から着用する必要はありません。逆に下着を着用することでダボシャツのゆったり感が損なわれてしまう場合もあります。女性の場合、ベージュ系の透けない色の下着がおすすめです。地域・地区ごとのトレンドによっては晒しを巻いて着るのが一般的なこともあるようです。

ただし、秋冬のお祭りで着用される際は気温や風の強さなどによって柔軟に変えていただいて構いません。

ズボン

ダボシャツにあわせるズボンはウエスト部分が基本的にゴム仕様となっています。ポケットが前の部分にくるのが正しい向きです。シャツインするかしないかについては好みですが、法被・半纏を着る場合はシャツインした上で法被・半纏を羽織り帯でしっかり締めると粋に見えます。

上下は基本的に同じ色合い・柄を揃えますが、季節やその日の天候に合わせて丈の長さでコーディネートの違いを楽しむのもよいでしょう。

帯

帯は自分のコーディネートで楽しめるさりげないおしゃれポイントです。流行を取り入れた柄や定番人気の締め方など様々な遊び心を表現できます。ただし、地域・仲間内で統一している場合もあるので念のため事前に確認しておきましょう。

履物

会場をブラブラして楽しんだりするなら雪駄が粋に見えます。ただし、お神輿を担いだり山車・屋台を引いたりする役割を担っているなら安全性の高い地下足袋がおすすめです。

小物

基本的にはメイン衣装であるダボシャツにあわせましょう。

• 手ぬぐい
  鉢巻にして江戸前スタイルを演出できます。結び方次第で個性を出すことも可能です。お気に入りの柄の手ぬぐいがあるなら半襟がわりに使うのもおすすめ。小物は他にも下記のようなアイテムがあります。
• 扇子
• 木札
• たすき鈴
• 手甲など
• 小物入れ・バッグ・ポーチ
• 煙草入れ

個性を出せるポイントなので、ワンポイントほしい場合に挑戦してみてください。

ダボシャツは“ダボ”シャツという名前の通り、ゆったりめに見えるように着るのが全体的な着こなしポイントです。

地域・お祭りによっては決まっている・暗黙の了解がある場合もあるので、気になる場合は主催者に確認してみましょう。地域ごとにお祭りの運営団体や行政の観光課などがガイド本や解説パンフレットを出している場合もあります。初めて参加する場合はどのようなダボシャツを着ている人が多いのかチェックしてみてもいいかもしれません。

ダボシャツを上下で購入　実店舗vsネット

実はお祭り向けに仕立てられたダボシャツを上下で取り揃えているところは、あまり多くありません。購入できる場所はお祭り仕様のダボシャツを専門的に取り扱っている店舗かネットショップが人気です。

実店舗で直接買うか、ネットショップで購入するか、どちらがいいのか比較してみましょう。

	実店舗	ネットショップ
値段	△	◎
スピード	〇	△
品揃え	△	〇
相談	◎	△
気軽さ	△	〇
じっくり検討	〇	〇

店舗ごとに細かい違いはあるものの、一般的にはこのような評価になるのではないでしょうか。

値段

一般的にネットショップが安い傾向はお祭り用品も変わりません。店舗維持費などの固定費を削減できる分だけ、安い価格帯で提供できることが多いです。

スピード

実店舗に在庫があればその場で購入できるので入手するまでのスピードは基本的に実店舗が早いです。ただし、入荷待ちの場合もありますので、どうしても必要なものがある場合は事前に問い合わせしてみてください。また、ネットショップの場合はお住まいの地域によってもお届けできるまでのスピードが違います。

品揃え

品揃え豊富な点もネットショップの特徴です。特に入荷数が限定されている小物など、店舗でどうしてもお取り寄せになる場合もネットで購入できるケースは多いです。

相談

• 初めて買うので相談したい
• いつもとちょっと変わった着こなしを試してみたい　など

気軽に相談できるスタッフがいるのが実店舗の強みです。ただし、ネットショップでもお問い合わせフォームなどから相談できることがあるので確認してみてください。

気軽さ

気軽に購入できるかどうかでいえばネットショップの方に軍配が上がります。ただし、万が一返品・交換が発生してしまった場合のルールは確認しておきましょう。

じっくり検討

じっくりと納得できるまで検討できるかどうかは、違うポイントでそれぞれ「〇」です。

実店舗は試着などができるため、実際に着てみないとわからない着心地やサイズ感などをじっくり吟味できます。ネットショップの場合、品揃えの豊富さからデザインやアイテムのバリエーションが豊富です。たくさんの選択肢の中から自分のペースで購入できる点が魅力といえるでしょう。

実店舗とネットショップはそれぞれ長所と短所があります。ベストはネットショップを運営している実店舗で試着・相談し、ご自宅で実店舗とネットショップどちらのメリットが大きいのか検討するのがおすすめです。